348FARMが農業をはじめたきっかけ

 

 

私たち348FARMのルーツは神楽坂の路地裏でビールやウイスキー、英国料理を提供する小さなスコティッシュパブです。
オープンは2011年、東日本大震災のあった記憶の年です。


パリでフランス料理の始業をしていたときにスコットランドの民族楽器バグパイプに魅了されパリ中心にあるスコットランド人の方が経営しているパブに行くようになりました。

 

パブというのは「パブリックハウス」の略で地元の方が集まるような交流の場。


そこにはビールやウイスキーが主力商品でフィッシュ&チップスなどの英国料理があり会話が盛んに行われています。フランス人では海外の人という立場ですが、その場では人種の差は関係なく楽しい時間でした。

 


 

パリでの体験もあり神楽坂に根付く地域密着店ということを大切にして、日々カウンターや厨房に立っていました。

そして2020年、日本だけでなく世界中を混乱に巻き込む新型コロナウイルスの影響で多くの人が影響を受け、今までにない生活をすることになりました。


お酒がメインの商品ですが、もともと料理をずっとやっていたこともあったので直ぐにお弁当やテイクアウトに取り組むことにしました。

 

時短営業や禁酒などありましたが、休むことはせずにスタッフと一緒に「何か出来ることはあるだろう!」と営業をする毎日でした。

 

 

希望の21世紀を超え「食に困る」そんな時代が来るとはおもってもいませんでした。そのような食の大切さをコロナ禍で知りましたが、緊急事態宣言は発令されて直ぐに見た光景が考え方を大きく変えました。

生活が一変したとき、近所のコンビニエンスストアに乾電池を買いに行ったときです。


「お姉ちゃん、これも買っていい?」

「これ、好きだよね!」


小さな女の子の姉妹がカゴいっぱいにサンドイッチや菓子パン、
お弁当、おにぎり、お菓子を山積みになりこぼれ落ちそうなほど買物カゴに入れている姿をただ茫然と見つめてしまっていました。

 

 

コンビニエンスストアで買い物をすることが悪いのではありません。


私は二十数年間以上もの時間を「美味しい食事を!楽しい時間を過ごしてほしい!」と飲食業に関わり、料理を作ってきたはずなのに、いったい何をしていたんだろう

そう思ってしまいました。

 

 

そんな中、私たちは飲食店以外で自社商品の開発を決意します。


武器である「食」の技術を活かし多くの方に喜んで貰える商品…


悩んだ末に決めたことは、自社で食材の生産に関わるという「農業」でした。

 

 

それでも、この二十数年間こそが私自身のルーツです。

だからこそ、農業という未経験のことも飲食と同じように「お客様に喜んでいただく」というとてもシンプルで基本的な考えをもとに東京と畑のある栃木県を行き来する工夫をして飲食店と農業の両方を行うことで心も身体も喜んで頂ける商品を目指しました。

 

また、一つ一つ手作業で生産から加工、販売しているからこそ、想いを込めてお届けしております